今,いるところは: ホーム > コラム > 高機能自閉症・アスペルガー障害当事者に対する支援のあり方について
福岡県支部北九州市親の会 伊野 憲治
高機能自閉症・アスペルガー障害を抱えた人々のおかれている現状を一言で表せば,「周囲の無理解」であろう。知的遅れを伴わず,言葉の遅れもほとんど見られないために,彼ら・彼女らが抱えている障害によってもたらされる様々な困難に対して有効な支援も受けられない。しかし,彼ら・彼女らは,むしろ自閉症特有の困難さを純粋な形で抱えており,彼ら・彼女らに対する適切な支援体制の確立なくして,自閉症に対する社会の理解が深まったとも,支援が充実したとも言うことはできない。
私たちは,人知れず困難さにチャレンジしている高機能自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれる人々を,可能な限り支援していきたいと考えている。
今回は,特に,高機能自閉症やアスペルガー症候群を抱えた人々に対する支援のあり方について,ライフ・ステージそって考えてみた。
尚,本報告は,(社)日本自閉症協会福岡県支部北九州市親の会会員及び北九州TEACCHプログラム勉強会会員の協力を得て作成した。
(会員の声) 実際は親が子どもの障害を認識していない人もまだたくさんいて,認識してても周囲には知らせていない方もいることに,改めて気づかされました。それって親の障害受容ができてないってことになるのかなぁ・・・と思いながら。正直私はちょっと理解できないです。絶対,周りの人には一人でも多く知ってもらいたいって思うからです。
(会員の声) 手帳を持っていないが故に,手帳所有者を対象とした行政サービスを受けられず,イベントにも参加する資格がない。健常児者と手帳を持っている自閉症児者との狭間で,どちらの世界にも十分に溶け込めず,本当に理解してくれる(?)遊び相手が親だけという状況は辛いものがある。
(会員の声) 自分達の死んだ後の子どもを誰が支援してくれるのかということです。自立できていればよいのですがどのような状態になっているか予想がつかないので,せめて障害者手帳の恩恵を受けられればと思うのですが,アスペルガーは対象外になっている現実がある。
(会員の声) 子どものことを説明するのに,手帳を見せるだけで把握してもらえると,とても助かると思う事例をあげてみました。
- 公共機関を利用する。
- デパートやアミューズメントパークへ出かける。
- 医療機関にかかる。
- 学校で進級する
(会員の声) 「もしかしたら,普通に生きていけるかもしれない」って思ってしまう(思いたくなる)気持ち。で,そう思ってしまうと,勉強会とか集まりとかに疎遠になってしまったり。それが子どもにとってどんなに危険な事かは例えば○○の事件のように事が起こってからでないと気づかないのが,問題だと思いますが。
(会員の声) (普通学級)教師の障害児教育も充実し始めているようですが,まだまだ現状は厳しいものがあります。
(会員の声) 普通学級に在籍する時には,必ず加配のアシスタントを配置(教員でなくても良い。自閉症に理解があって,多少なりとも科目を教えられる人間であれば誰でも良い)。
おわりに―会員の声より―
谷間の子(福祉には守ってもらえないのに,支援がないと生き難い子どもたち):
高機能自閉症・アスペルガー症候群
生き難さを少しでもやわらげてくれるものがあるといいです。
子どもたちの将来が安心できるものになるよう,今できることをしていきたいですね。
自閉症であることがわかって落ち込んだり,不安になるのは,自閉症の人が生きていくには大変な社会だからなわけで,将来そうでない,ハンディがあるからといって何の危惧もない世の中になっていれば,親が「死んでも死に切れない・・・」なんて思わずにすむはずですから。夢は大きく!願いは諦めなければ叶うと信じている,超楽観主義の○○でした。